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配当金手取り計算シミュレーター

配当金の手取り額を課税方式(申告分離20.315%・総合課税・NISA)ごとに無料計算し、確定申告でどれを選ぶと得かを判定。配当控除と累進税率を織り込んだ損益分岐点も分かります。ブラウザ内で完結、データ送信なし。

公開日: / 更新:

「配当以外の所得」は給与所得控除後の金額です。「所得控除の合計」は基礎控除・社会保険料控除などの合計です。入力欄の数値は入力例です。

使い方・仕組み解説

配当金の手取り計算とは?

配当金手取り計算シミュレーターは、上場株式の配当金にかかる税金を課税方式(申告分離課税・総合課税・NISA)ごとに計算し、最も手取りが多くなる方式を判定する無料ツールです。配当額だけでなく給与などの他の所得と所得控除も入力するため、累進税率と配当控除を織り込んだうえで「自分の場合はどれが得か」が分かります。すべてブラウザ内で完結し、入力データがサーバーに送信されることはありません。

使い方

  1. 配当金額(税引前。源泉徴収される前の金額)を万円単位で入力します
  2. 配当以外の所得(給与所得控除後の金額など)を万円単位で入力します
  3. 所得控除の合計(基礎控除・社会保険料控除など)を万円単位で入力します
  4. 「手取りを比較する」を押すと、3 つの課税方式ごとの手取り額・税額・実効税率が表示されます

給与所得の金額が分からない場合は源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を、所得控除の合計は同じ票の「所得控除の額の合計額」をそのまま使えます。

配当金にかかる税金は何%?

上場株式の配当金は、何もしなければ20.315%が源泉徴収されます。内訳は所得税 15%・復興特別所得税 0.315%(所得税額の 2.1%)・住民税 5% です。つまり配当 10 万円なら約 20,300 円が引かれ、手取りは約 79,700 円になります(本ツールは所得税・住民税とも 100 円未満を切り捨てて計算しています)。

  • 所得税 15% × 復興特別所得税 1.021 = 15.315%(復興特別所得税は 2037 年分まで)
  • 住民税(配当割) 5%
  • 合計 20.315%

この 20.315% は所得の多い少ないに関係なく一律です。年収 300 万円の人も 3,000 万円の人も、何もしなければ同じ税率で引かれます。だからこそ、所得が低い人は確定申告で総合課税を選んだほうが手取りが増える余地があります。

配当金の課税方式にはどんな種類がある?

上場株式の配当金には申告分離課税総合課税NISA(非課税)の 3 つの扱いがあります。

  • 申告分離課税(確定申告不要制度): 配当金額の 20.315%(所得税 15.315% + 住民税 5%)が源泉徴収されて課税完了。確定申告は不要です。上場株式の譲渡損失と損益通算したい場合は確定申告して申告分離課税を選びます
  • 総合課税: 配当を給与などの他の所得と合算し、累進税率で課税します。配当控除(所得税 10%/5%、住民税 2.8%/1.4%)を受けられるため、課税所得が低い場合は有利になります
  • NISA(少額投資非課税制度): NISA 口座で受け取る配当は全額非課税です。ただし株式数比例配分方式(証券口座で受け取る方式)を選んでいないと課税されてしまう点に注意してください

総合課税と申告分離課税の損益分岐点は?

2025 年(令和 7 年)分以降の制度では、課税所得(配当以外)がおおむね 695 万円以下なら総合課税、それを超えると申告分離課税が有利になります。下の表は配当 50 万円を受け取ったときに、課税所得の水準ごとにどちらが得かを本ツールで計算した結果です。

課税所得(配当以外)申告分離の手取り総合課税の手取り総合課税の実効税率有利なほう
100 万円398,500 円464,000 円7.2%総合課税
300 万円398,500 円442,500 円11.5%総合課税
500 万円398,500 円411,900 円17.62%総合課税
650 万円398,500 円410,400 円17.92%総合課税
700 万円398,500 円396,600 円20.68%申告分離課税
950 万円398,500 円345,500 円30.9%申告分離課税
1,200 万円398,500 円313,600 円37.28%申告分離課税
2,000 万円398,500 円277,800 円44.44%申告分離課税

なぜ 695 万円が境目になるのか、配当 50 万円・課税所得(配当以外)400 万円の例で追ってみます。

  • 申告分離課税: 50 万円 × 15.315% = 76,500 円(所得税)、50 万円 × 5% = 25,000 円(住民税)。税額合計 101,500 円、手取り 398,500 円、実効税率 20.3%
  • 総合課税: 課税所得 400 万円の限界税率は 20% なので、配当 50 万円を足したことによる所得税の増加は 102,100 円(復興特別所得税込み)。ここから配当控除 50 万円 × 10% = 50,000 円を引いて所得税は 52,100 円。住民税は 50 万円 × 10% = 50,000 円から配当控除 50 万円 × 2.8% = 14,000 円を引いて 36,000 円。税額合計 88,100 円、手取り 411,900 円、実効税率 17.62%

この例では総合課税のほうが 13,400 円 手取りが多くなります。課税所得が 200 万円まで下がると総合課税の実効税率は 7.4% まで落ち、差は 6 万円台まで広がります。所得税の速算表は課税所得 695 万円で税率が 20% から 23% に上がるため、そこを超えると総合課税の実効税率が 20.68% となり、申告分離課税の 20.315% をわずかに上回ります。さらに 900 万円を超えると税率 33% が適用され、実効税率は 30% 台に跳ね上がります。

なお「損益分岐点は 900 万円」という説明を見かけますが、これは所得税は総合課税・住民税は申告不要という異なる課税方式を選べた 2024 年(令和 6 年)分までの話です。この選択は 2025 年分以降できなくなり、住民税側で 10% − 2.8% = 7.2% を必ず負担することになったため、分岐点は 695 万円まで下がりました。

配当控除の計算式は?

配当控除額 = 配当所得 × 控除率で、控除率は課税総所得金額によって変わります。法人段階で法人税を払った利益から支払われる配当に、さらに所得税をかける二重課税を調整するための税額控除です。

  • 課税総所得 1,000 万円以下の部分: 所得税 10%・住民税 2.8%
  • 課税総所得 1,000 万円超の部分: 所得税 5%・住民税 1.4%

1,000 万円をまたぐ場合は按分します。たとえば配当以外の課税所得 900 万円・配当 300 万円(課税総所得 1,200 万円)なら、配当 300 万円のうち 100 万円が 1,000 万円以下の部分、200 万円が 1,000 万円超の部分です。

  • 所得税の配当控除: 100 万 × 10% + 200 万 × 5% = 200,000 円
  • 住民税の配当控除: 100 万 × 2.8% + 200 万 × 1.4% = 56,000 円

この条件では総合課税の税額が約 1,054,800 円(実効税率 35.16%)に対し、申告分離課税は 609,400 円。控除があっても高所得層では申告分離課税が有利という結果になります。

NISA 口座と課税口座で手取りはどれだけ違う?

NISA 口座なら配当への課税が 0 円なので、差額はそのまま「配当額 × 20.315%」です。年間の配当額ごとに見ると次のようになります。

  • 年 10 万円の配当: 課税口座の手取り 79,700 円 / NISA 100,000 円(差 20,300 円)
  • 年 30 万円の配当: 課税口座の手取り 239,100 円 / NISA 300,000 円(差 60,900 円)
  • 年 50 万円の配当: 課税口座の手取り 398,500 円 / NISA 500,000 円(差 101,500 円)

年 30 万円の配当を 20 年受け取り続けると、差は累計で約 121.8 万円になります。高配当株を長期保有する方針なら、NISA の非課税枠を配当が出る銘柄に優先的に割り当てるだけで、この額を丸ごと手元に残せる計算です。新NISA の年間投資枠と生涯投資枠の使い方は積立シミュレータの解説でも触れています。

配当利回りと手取り利回りはどう違う?

証券会社に表示される配当利回りは税引前の数字です。課税口座では 20.315% が引かれるため、実際に手元に残る「手取り利回り」は表示の約 79.7% になります。保有額 1,000 万円の場合で計算すると次のとおりです。

表示上の配当利回り年間配当(税引前)課税口座の手取り手取り利回り
2%200,000 円159,400 円1.59%
3%300,000 円239,100 円2.39%
4%400,000 円318,800 円3.19%
5%500,000 円398,500 円3.98%

「利回り 4% の高配当株」でも、課税口座で受け取る限り実質は約 3.19% です。同じ銘柄を NISA 口座で持てば 4.00% がそのまま残ります。利回りを比較するときは、どの口座で持つ前提かを揃えないと判断を誤ります。

源泉徴収ありの特定口座なら確定申告は不要?

不要です。源泉徴収ありの特定口座で受け取った配当は 20.315% が引かれた時点で課税関係が完結するため、確定申告をしなくても問題ありません。ただし、申告したほうが得になるケースがあります。

  • 課税所得が 695 万円以下で、総合課税を選ぶと配当控除により手取りが増える場合
  • 同じ年に上場株式の譲渡損失があり、配当と損益通算したい場合(この場合は申告分離課税を選びます)
  • 前年以前 3 年内の繰越損失と相殺したい場合

注意点として、総合課税で申告すると配当が合計所得金額に加わります。国民健康保険料や介護保険料、扶養の判定、住民税非課税世帯の判定などに影響することがあるため、税額だけで判断しないでください。総合課税で申告するとふるさと納税の控除上限額も変わります。上限はふるさと納税 限度額計算で確認できます。

米国株の配当は二重課税になる?

なります。米国株の配当はまず現地で 10% が源泉徴収され、その残額に日本で 20.315% が課されるため、合計の負担率は約 28.28% です。配当 100 円なら次のように減っていきます。

  • 米国での源泉徴収 10 円 → 手元 90 円
  • 日本での課税 90 円 × 20.315% = 約 18.3 円
  • 手取り 約 71.7 円(負担率 28.28%)

この二重課税は確定申告で外国税額控除を使うと一部を取り戻せます。ただし控除できる額には所得税額に応じた限度があり、現地で引かれた 10% が全額戻るとは限りません。また NISA 口座で米国株の配当を受け取る場合、日本側は非課税ですが米国側の 10% は引かれたままで、かつ日本で課税されていないため外国税額控除も使えません。本ツールは国内上場株式の配当を前提としており、外国税額控除や現地源泉徴収は計算に含めていません。

注意事項

  • 2025 年(令和 7 年)分以降、所得税と住民税で異なる課税方式を選べなくなりました。総合課税を選ぶと住民税も総合課税になります
  • 上場株式等の配当に限ります。非上場株式の配当や、発行済株式の 3% 以上を保有する大口株主は対象外です
  • 本ツールは 2026 年(令和 8 年分)の税率・所得税速算表に基づく概算です。所得税額は 1,000 円未満切捨て・100 円未満切捨てで処理しており、実際の税額は個別の控除状況により異なります
  • 総合課税を選ぶと合計所得金額が増え、国民健康保険料・扶養判定・各種給付の所得制限に影響する場合があります。本ツールはこれらを計算に含めていません
  • 確定申告の要否や具体的な手続きは税務署または税理士にご確認ください
  • 年収ベースの手取りは年収の手取り計算、ボーナスはボーナス手取り計算、退職金は退職金手取り計算で確認できます
  • iDeCo の節税効果はiDeCo 節税シミュレーター、NISA との使い分けはNISA と iDeCo はどちらを優先すべき?のガイドで解説しています

配当を再投資して資産をどう増やすかは積立シミュレータ、配当で生活費をまかなう水準に達する時期はFIRE達成年齢計算で試算できます。金融シミュレーションの進め方全体は資産形成シミュレーションは何から始める?にまとめています。

根拠にした資料

このツールが使っている税率・保険料率・控除額は、次の公的資料に基づいています(リンクの到達確認は2026 年 7 月時点)。

改正で変わる数値: 上場株式等の配当の税率(所得税 15% + 復興特別所得税 + 住民税 5%)と配当控除率(課税総所得 1,000 万円以下で所得税 10%・住民税 2.8%)は、租税特別措置法・地方税法の改正で変わりえます。復興特別所得税は 2037 年分までの時限措置です。NISA の非課税枠は令和 5 年度税制改正で恒久化された現行制度の値です。

よくある質問

配当金の税率は何%ですか?
上場株式の配当金は、何もしなければ 20.315%(所得税 15% + 復興特別所得税 0.315% + 住民税 5%)が源泉徴収されます。所得の多寡に関係なく一律です。配当 10 万円なら約 20,300 円が引かれ、手取りは約 79,700 円。確定申告で総合課税を選ぶと累進税率が適用されるかわりに配当控除を受けられ、NISA 口座で受け取る配当は全額非課税です。
総合課税と申告分離課税はどちらが得ですか?
課税所得(配当以外)がおおむね 695 万円以下なら総合課税、それを超えると申告分離課税が有利です。所得税の税率が 695 万円で 20% から 23% に上がると、総合課税の実効税率が 20.68% となり申告分離課税の 20.315% を上回るためです。「分岐点は 900 万円」という説明は所得税と住民税で別々の課税方式を選べた 2024 年分までの話で、2025 年分以降は選べなくなり分岐点が下がりました。
配当控除とは何ですか?
法人税と所得税の二重課税を調整する税額控除です。上場株式の配当を総合課税で申告すると、課税総所得 1,000 万円以下の部分は所得税 10%・住民税 2.8%、1,000 万円超の部分は所得税 5%・住民税 1.4% が税額から差し引かれます。1,000 万円をまたぐ場合は按分し、たとえば配当 300 万円で課税総所得が 900 万円から 1,200 万円になるケースでは、所得税の控除額は 100 万 × 10% + 200 万 × 5% = 20 万円です。
NISA 口座と課税口座で配当の手取りはどれくらい違いますか?
差額は「配当額 × 20.315%」です。年 30 万円の配当なら課税口座の手取りは 239,100 円、NISA なら 300,000 円で年 60,900 円の差。20 年受け取り続けると累計で約 121.8 万円になります。また表示上の配当利回り 4% の銘柄も、課税口座では手取り利回り約 3.19% に下がります。NISA 口座で受け取るには株式数比例配分方式を選んでおく必要があります。
米国株の配当も同じ税率ですか?
違います。米国株の配当は現地で 10% が源泉徴収され、その残りに日本で 20.315% が課されるため、合計の負担率は約 28.28% です(配当 100 円なら手取り約 71.7 円)。確定申告で外国税額控除を使えば一部を取り戻せますが、控除限度額があり全額は戻りません。NISA 口座では日本側は非課税でも米国側の 10% は引かれ、外国税額控除も使えません。本ツールは国内上場株式の配当を前提としています。

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