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退職金手取り計算

退職金の手取りはいくら?退職金額・勤続年数・役員かどうかから、退職所得控除・所得税・住民税を差し引いた手取り額と控除内訳を計算します。勤続年数別の手取り早見表つき。勤続5年以下の特例(令和4年改正)にも対応。登録不要・無料。

公開日: / 更新:

入力欄の数値はあくまで入力例です。ご自身の数値に置き換えて計算してください。

使い方・仕組み解説

退職金の手取りはいくら?

退職金の手取りは、勤続年数に応じた退職所得控除により額面の 85〜100% が目安です。たとえば勤続 30 年・退職金 2,000 万円なら、所得税 155,700 円と住民税 250,000 円が引かれて手取りは 19,594,300 円(額面の約 98%)になります。

本ツールは退職金額・勤続年数・役員区分から、退職所得控除・所得税・住民税を差し引いた手取り額を計算する無料シミュレーターです。退職金は給与と異なる「退職所得」として分離課税され、控除・1/2 課税・社会保険料なしという三重の優遇があるため、額面の大部分が手元に残ります。すべてブラウザ内で計算され、入力データがサーバーに送信されることはありません。

使い方

  1. 退職金額(額面)を万円単位で入力します。企業年金や中小企業退職金共済を一時金で受け取る分も合算します
  2. 勤続年数を入力します(整数で入力してください。実際の税額計算では 1 年未満の端数は 1 年に切り上げて扱われるため、たとえば 20 年 1 か月は 21 年です)
  3. 法人の役員等に該当する場合はチェックを入れます
  4. 「手取りを計算する」を押すと、手取り額と控除の内訳が表示されます

退職所得控除の計算式は?

退職所得控除は勤続年数に応じて決まる非課税枠です。勤続 20 年以下は「40 万円 × 勤続年数」(最低 80 万円)、20 年超は「800 万円 + 70 万円 ×(勤続年数 − 20 年)」で計算します。20 年を超えると 1 年あたりの控除が 40 万円から 70 万円に増える、長期勤続に有利な設計です。

  • 勤続 10 年: 40 万円 × 10 = 400 万円
  • 勤続 20 年: 40 万円 × 20 = 800 万円
  • 勤続 25 年: 800 万円 + 70 万円 × 5 = 1,150 万円
  • 勤続 30 年: 800 万円 + 70 万円 × 10 = 1,500 万円
  • 勤続 38 年: 800 万円 + 70 万円 × 18 = 2,060 万円

退職金がこの控除額以下なら課税退職所得はゼロで、所得税も住民税もかからず額面がそのまま手取りになります。勤続 25 年で退職金 1,000 万円なら控除 1,150 万円のほうが大きいため、税金は 1 円もかかりません。

退職金の税額はどう計算される?

退職金から退職所得控除を差し引いた残額の1/2(1,000 円未満切捨て)が課税退職所得金額になり、これに所得税の累進税率(5%〜45%)と復興特別所得税(2.1%)、住民税(10%)がかかります。退職金 2,000 万円・勤続 30 年・非役員の場合は次のとおりです。

  • 退職所得控除: 800 万円 + 70 万円 × 10 = 1,500 万円
  • 課税退職所得:(2,000 万円 − 1,500 万円)× 1/2 = 250 万円
  • 所得税:250 万円 × 10% − 97,500 円 = 152,500 円、これに復興特別所得税を掛けて 152,500 × 1.021 = 155,700 円(100 円未満切捨て)
  • 住民税:250 万円 × 10% = 250,000 円(退職所得には均等割がかかりません)
  • 手取り:2,000 万円 − 155,700 − 250,000 = 19,594,300 円(額面の約 98%)

同じ 2,000 万円でも給与として受け取れば所得税・住民税・社会保険料で 3 割以上が消えます。退職金の税負担が 2% で済むのは、控除と 1/2 課税に加えて社会保険料がかからないためです。

勤続年数・退職金額別の手取り早見表

非役員・「退職所得の受給に関する申告書」提出済みを前提とした目安です。同じ退職金額でも勤続年数が長いほど手取りが増えることが読み取れます。

勤続年数退職所得控除1,000 万円の手取り2,000 万円の手取り3,000 万円の手取り
10 年400 万円949.3 万円1,797.1 万円2,588.8 万円
15 年600 万円969.5 万円1,830.6 万円2,632.5 万円
20 年800 万円984.9 万円1,861.1 万円2,676.2 万円
25 年1,150 万円1,000 万円1,914.4 万円2,752.7 万円
30 年1,500 万円1,000 万円1,959.4 万円2,813.8 万円
35 年1,850 万円1,000 万円1,988.7 万円2,868.7 万円
38 年2,060 万円1,000 万円2,000 万円2,900.7 万円

勤続 20 年と 25 年では控除額が 800 万円から 1,150 万円へ 350 万円増えるため、退職金 3,000 万円のケースで手取りが約 76 万円変わります。退職時期を選べる場合は、20 年目・30 年目といった節目の直後まで在籍したほうが有利になることがあります。

勤続 5 年以下の場合はどうなる?

1/2 課税が制限されるため、同じ退職金額でも税負担が重くなります。制限の内容は役員かどうかで変わります。

  • 役員等(特定役員退職手当等): 1/2 課税がまったく適用されず、退職所得控除を超えた額の全額が課税対象です
  • 非役員: 控除後の金額のうち 300 万円までは 1/2 課税、300 万円を超える部分は全額が課税対象です(令和 4 年分以後に適用)

たとえば退職金 800 万円・勤続 3 年なら控除は 40 万円 × 3 = 120 万円で、控除後は 680 万円です。非役員なら 300 万円 × 1/2 + 380 万円 = 530 万円が課税退職所得となり、税金は所得税 645,700 円 + 住民税 530,000 円で手取り 6,824,300 円。役員なら 680 万円全額が課税され、所得税 952,000 円 + 住民税 680,000 円で手取り 6,368,000 円と、約 46 万円の差が出ます。

「退職所得の受給に関する申告書」を出さないとどうなる?

退職所得控除も 1/2 課税も適用されず、退職金の額面全体に一律 20.42%(所得税 20% + 復興特別所得税)が源泉徴収されます。勤続 30 年・退職金 2,000 万円なら本来 155,700 円で済む所得税が 4,084,000 円も天引きされる計算です。

この申告書は退職金の支給を受けるときまでに勤務先へ提出するもので、税務署への提出は不要(勤務先で保管)です。出し忘れた場合でも確定申告をすれば払いすぎた分は還付されますが、翌年まで資金が拘束されるので、退職手続きの際に必ず提出を確認してください。本ツールは提出済みを前提に計算しています。

iDeCo や企業型 DC の一時金と重なるとどうなる?

受け取る順番と間隔によって、退職所得控除の対象となる勤続年数が調整され、控除額が減ることがあります。確定拠出年金の一時金は「掛金の拠出期間」を勤続年数とみなして退職所得控除を計算しますが、会社の退職金の勤続期間と重なる部分は二重にカウントできないためです。

  • 退職金を先に受け取り、後から DC 一時金: 令和 8 年 1 月 1 日以後に支払を受ける DC 一時金からは、その年の前年以前 9 年内(改正前は 4 年内)に退職手当等を受けていると重複期間の調整が入ります。いわゆる「5 年ルール」が「10 年ルール」に変わりました(令和 7 年度税制改正)
  • DC 一時金を先に受け取り、後から退職金: 前年以前 19 年内に DC 一時金を受けていると調整対象です(いわゆる 20 年ルール。こちらは改正されていません)

本ツールは 1 つの退職手当等のみを受け取る前提で計算しているため、同じ年や近い年に複数の退職手当等を受け取る場合は結果が実際と異なります。iDeCo の拠出中の節税額はiDeCo 節税シミュレーターで試算でき、NISA との使い分けは新NISAとiDeCoはどっちを先に?節税額を比べて選ぶのガイドで解説しています。

退職金に社会保険料や住民税の均等割はかかる?

どちらもかかりません。退職手当は健康保険法・厚生年金保険法上の「報酬」にも「賞与」にも当たらないため、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料は一切引かれません。ボーナスとの大きな違いです。

住民税も退職所得については所得割 10% のみで、均等割(5,000 円程度)はかかりません。また退職所得の住民税は他の所得と違って受け取った年に分離課税で特別徴収されるため、翌年の住民税が跳ね上がるということもありません。ただし退職金以外の所得(退職までの給与など)に対する住民税は通常どおり翌年度に課税されるので、退職後の資金計画では見落とさないよう注意してください。

注意事項

  • 「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出している前提で計算しています。未提出の場合は退職金の額面全体に一律 20.42% の源泉徴収が行われ、確定申告での精算が必要です
  • 同じ年に 2 か所以上から退職手当等を受け取る場合、前年以前に他の退職手当等を受け取っている場合は、退職所得控除の計算に特例(勤続期間の重複調整)が適用されるため本ツールの結果とは異なります
  • 障害者になったことが直接の原因で退職した場合は、退職所得控除額が 100 万円加算されます(本ツールは未対応)
  • 退職金を年金形式で受け取る場合は退職所得ではなく雑所得(公的年金等)として課税され、計算方法がまったく異なります
  • 退職後の家計を見通すなら年収の手取り計算家計予算シミュレーター、受け取った退職金の運用は積立シミュレーターFIRE シミュレーターで試算できます
  • 給与・ボーナス・退職金・配当で手取りの計算がどう違うかは手取りはいくら?給与・ボーナス・退職金・配当の違い、資産形成の全体像は資産形成シミュレーションは何から始める?のガイドで解説しています

根拠にした資料

このツールが使っている税率・保険料率・控除額は、次の公的資料に基づいています(リンクの到達確認は2026 年 7 月時点)。

改正で変わる数値: 退職所得控除の計算式(勤続 20 年まで年 40 万円・20 年超は年 70 万円)と 2 分の 1 課税は所得税法本体の定めで、勤続 5 年以下の 2 分の 1 課税の制限は令和 4 年分以降の取扱いです。所得税の税率表と復興特別所得税(2037 年分まで)は税制改正の対象で、退職所得課税の見直しは近年たびたび税制改正大綱で議論されています。

よくある質問

退職金にかかる税金はいくらですか?
退職金は退職所得控除を差し引いた後、原則として1/2課税されるため、給与所得より税負担が大幅に軽くなります。勤続30年で退職金2,000万円の場合、退職所得控除1,500万円を引いた500万円の半分(250万円)が課税退職所得となり、所得税155,700円と住民税250,000円の合計405,700円で、手取りは19,594,300円(額面の約98%)です。
退職所得控除の計算方法は?
勤続20年以下は「40万円 x 勤続年数」(最低80万円)、20年超は「800万円 + 70万円 x (勤続年数 - 20年)」です。勤続30年なら800万円+70万円x10=1,500万円が非課税枠になります。1年未満の端数は1年に切り上げるため、勤続20年1か月は21年として計算します。退職金が控除額以下なら所得税も住民税もかかりません。
役員の退職金は税金が多くなりますか?
勤続5年以下の役員(特定役員退職手当等)は1/2課税の適用がなく、退職所得控除を超えた全額が課税対象になります。退職金800万円・勤続3年なら、非役員の手取り6,824,300円に対し役員は6,368,000円と約46万円の差が出ます。勤続6年以上の役員は一般社員と同じ計算です。
退職金に社会保険料はかかりますか?
かかりません。退職手当は健康保険法・厚生年金保険法上の「報酬」にも「賞与」にも該当しないため、健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料は一切引かれません。住民税も所得割10%のみで均等割はかからず、受け取った年に分離課税で特別徴収されるため翌年の住民税が増えることもありません。

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