FIRE達成年齢計算(4%ルール シミュレーター)
早期リタイアを目指すとき、実際に何歳で仕事を辞められるのかは資産の増え方次第で見えにくいものです。必要な資産額と達成できる年齢の見通しを、現在の資産と積立額、生活費から立てられます。
公開: / 更新: / 制作・運営: ハコツールズ運営者
記載の計算結果は一般的な条件による概算です。個別の条件で金額は変わるため、手続きに直結する場面では公的機関の資料を確認してください。 (免責事項)
入力欄の数値はあくまで入力例です。ご自身の数値に置き換えて計算してください。
使い方・仕組み解説
FIREとは?
FIRE(Financial Independence, Retire Early)とは、資産運用による収益だけで生活費を賄い、労働に縛られずに暮らせる状態を目指す考え方です。本ツールは現在の年齢・資産・積立額・生活費から、いわゆる「4%ルール」に基づいて必要資産額と、それを達成できる年齢を無料で計算します。すべての計算はお使いのブラウザ内で完結し、入力したデータがサーバーに送信されることはありません。
使い方
- 「現在の年齢」「現在の資産」を入力します
- 「毎月の積立額」に投資に回す金額を入力します(例: 100,000 円)
- 「想定利回り」に年率のリターンをパーセントで入力します(デフォルト 5%)
- 「年間生活費」にリタイア後 1 年間で使う金額を入力します
- 「取り崩し率」はいわゆる4%ルールに合わせてデフォルトの 4% のままで問題ありません。変更したい場合のみ書き換えて「計算する」を押します
必要資産額・達成年齢・達成までの年数に加えて、資産推移のグラフと 1 年ごとの表で確認できます。積立段階の詳細なシミュレーションをしたい場合は積立シミュレータも合わせてご利用ください。
4%ルールとは?
4%ルールとは、資産の4%を毎年取り崩して生活しても、長期的に資産が尽きにくいという経験則です。1998年に米国の大学教授らが発表した「トリニティ・スタディ」という研究で、株式と債券に分散したポートフォリオから年4%を取り崩した場合、過去の市場データでは30年間資産が尽きない確率が高い、という結果でした。過去のデータから導いた目安であり、将来の運用成果を保証するものではありません。
FIREに必要な資産はいくら?
必要資産額は「年間生活費 ÷ (取り崩し率 ÷ 100)」で計算できます。4%ルールの場合は年間生活費のちょうど25倍です。たとえば年間生活費が300万円なら、必要資産額は 300万円 ÷ 4% = 7,500万円になります。同じ条件で、35歳・資産300万円・毎月10万円積立・想定利回り年5%の場合、本ツールでは62歳(27年後)で7,500万円に到達する計算になります。
サイドFIREなら目標額はいくら減る?
労働収入で賄う分だけ目標額が下がります。年間生活費 300 万円のうち 100 万円を労働収入で賄えるなら、資産で賄うのは残り 200 万円。200 万円 ÷ 4% = 5,000 万円となり、完全FIRE の 7,500 万円より 2,500 万円も目標を下げられます。サイドFIRE(バリスタFIRE)は完全に働くのをやめず、パートや業務委託などで生活費の一部を稼ぎ続けるスタイルで、必要資産額は「資産の取り崩しで賄う分の生活費 ÷ 取り崩し率」で計算します。本ツールでは「年間生活費」に不足分(この例では 200 万円)だけを入力すると、サイドFIRE の必要資産額と達成年齢が計算できます。
コーストFIREとは?本ツールで計算できる?
コーストFIRE(Coast FIRE)は、これ以上積み立てなくても、いま持っている資産の複利成長だけで目標資産に届く状態を指します。積立をやめて生活費を稼ぐだけの働き方に切り替えても、リタイア資金は勝手に育っていく段階です。
本ツールで「毎月の積立額」を 0 円にすると、この状態の計算ができます。たとえば 35 歳・資産 1,000 万円・想定利回り年 5%・年間生活費 300 万円(必要資産 7,500万円)の場合、積立を完全にやめても 76 歳で必要資産に到達する計算です。あと何年積み立てればコーストFIRE の水準に届くかは、積立額と現在資産を変えながら「達成年齢が自分の想定リタイア年齢を下回るか」で確かめられます。
4%ルールは日本でもそのまま使える?
そのまま当てはめるのは危険です。トリニティ・スタディが分析したのは 1926〜1995 年の米国市場・ドル建てのデータで、円で生活する日本の居住者とは前提が 3 つ違います。
- 為替リスク: 米国株中心のポートフォリオを円換算で取り崩す場合、円高が進むと同じドル資産でも受け取れる円が減ります。研究の成功率はドルで生活する人の数字です
- 公的年金の存在: 日本では 65 歳から公的年金を受け取れます。FIRE 後に必要なのは「年金開始までのつなぎ」と「年金で足りない分」であって、生活費の全額を一生ぶん資産で賄う必要は必ずしもありません
- 社会保険料の自己負担: 会社を辞めると、労使折半だった健康保険・年金の保険料が全額自己負担(国民健康保険・国民年金)になります。年間生活費にこの分を必ず含めてください
これらを踏まえ、取り崩し率を 4% ではなく 3.5% や 3% に落として保守的に見積もる考え方もあります。なお、トリニティ・スタディの代表的な結果は「株式 50%・債券 50% のポートフォリオから毎年インフレ調整後の 4% を取り崩した場合、過去の 30 年間の期間の約 95% で資産が尽きなかった」というものです。裏を返せば 5% 前後の確率では尽きていたことになり、確実な保証ではありません。
4%ルールの取り崩しは「定額」?「定率」?
トリニティ・スタディの4%は定額型です。リタイア初年度に資産の4%にあたる金額を取り崩し、2年目以降はその金額をインフレに合わせて増減させて維持します。毎年の残高に4%を掛ける定率型ではありません。
2つの方式は性質が正反対です。定率型(毎年の残高×4%)は、残高が減れば取り崩す額も減るため計算上は資産がゼロになりません。その代わり、下落局面では受け取れる生活費も一緒に減ります。定額型は毎年の生活費が安定する代わりに、下落局面でも同じ金額を取り崩すため資産の目減りが加速します。リタイア直後に大きな下落が来ると資産寿命が大きく縮む「取り崩し順序のリスク」は、この定額型の弱点を指した言葉です。
本ツールの「取り崩し率」は、必要資産額の算出(年間生活費 ÷ 取り崩し率)に使う入力で、リタイア後の取り崩しシミュレーションまでは行いません。定額・定率のどちらで取り崩すかは、リタイア時点の相場環境と生活費の柔軟性に応じて決める運用フェーズの論点です。
取り崩し率を変えると必要資産と達成年齢はどう変わる?
取り崩し率を下げるほど必要資産は増え、達成年齢は遅くなります。35 歳・現在資産 300 万円・毎月 10 万円積立・想定利回り年 5%・年間生活費 300 万円という条件で、本ツールに取り崩し率だけを変えて入力すると次の結果になります。
- 取り崩し率 5%: 必要資産 6,000 万円 / 58 歳(23 年後)
- 取り崩し率 4%: 必要資産 7,500 万円 / 62 歳(27 年後)
- 取り崩し率 3.5%: 必要資産 約 8,571 万円 / 64 歳(29 年後)
- 取り崩し率 3%: 必要資産 1 億円 / 66 歳(31 年後)
5% から 3% へ 2 ポイント下げるだけで、必要資産は 6,000 万円から 1 億円へ約 1.67 倍に膨らみます。一方で達成年齢の差は 58 歳と 66 歳の 8 年。安全側に倒すコストは「資産額」より「働く年数」で見たほうが実感に近いのが、この表からわかることです。
インフレを考えると必要資産はいくら増える?
年 2% のインフレが 27 年続く前提なら、必要資産は 7,500 万円から約 1 億 2,800 万円まで増えます。本ツールはインフレを考慮していないため、物価上昇を織り込むなら自分で補正してください。見方は 2 つあります。
ひとつは将来の生活費に置き換える方法です。年 2% のインフレが 27 年続くと、今の年間生活費 300 万円は 300 万円 × 1.0227 = 約 512 万円相当になります。この場合の必要資産は 512 万円 ÷ 4% = 約 1 億 2,800 万円で、7,500 万円という当初の目標では足りません。
もうひとつは実質利回りで計算し直す方法です。想定利回り 5% からインフレ率 2% を引いた実質 3% を「想定利回り」欄に入力すると、先ほどと同じ条件で達成年齢は 62 歳から68 歳(33 年後)にずれます。どちらの見方をしても、インフレを無視した計算は 6 年ほど楽観的になる、という結論は変わりません。手軽に試すなら、想定利回りに「期待リターン − 想定インフレ率」を入れて計算するのがおすすめです。
積立額と利回りを変えると達成年齢はどれだけ動く?
積立額を増やすほど早く達成できますが、増やした割には短縮しません。35 歳・現在資産 300 万円・想定利回り年 5%・必要資産 7,500 万円(年間生活費 300 万円 / 4%ルール)の条件で、毎月の積立額だけを変えると次のとおりです。
- 毎月 5 万円: 71 歳(36 年後)
- 毎月 10 万円: 62 歳(27 年後)
- 毎月 15 万円: 56 歳(21 年後)
- 毎月 20 万円: 53 歳(18 年後)
積立額を 2 倍(5 万円 → 10 万円)にしても、達成までの年数は 36 年から 27 年へ 25% 縮むだけです。4 倍(5 万円 → 20 万円)にしてようやく半分になります。複利は投じる金額より時間に強く効くため、金額を増やすより早く始めるほうが効率的です。
想定利回りの影響も見ておきます。毎月 10 万円積立で固定し、利回りだけを変えると年 3% で 68 歳、4% で 64 歳、5% で 62 歳、6% で 59 歳、7% で 57 歳です。利回り 1 ポイントの差が 2〜4 年に相当しますが、利回りは自分でコントロールできる数字ではありません。確実に動かせるのは積立額と開始時期だけと考えて、利回りは控えめに置いておくのが安全です。過去の実績をもとにした想定であり、将来の運用成果を保証するものではありません。
FIRE後の取り崩しに税金はかかる?
課税口座(特定口座・一般口座)で運用した資産を取り崩す場合、値上がり益の部分に約 20.315% の税金がかかります。本ツールの計算結果は税引前なので、実際には計算で出た必要資産額より少し多めを見込んでおくと安全です。一方、新NISA 口座内で運用・取り崩す分には運用益への課税がないため、税引後でも計算結果に近い金額を受け取れます。まずは非課税枠を優先して積み立てるのが有利です。
早期リタイアの前提となる「毎月いくら投資に回せるか」は手取り計算で、住宅ローンがある場合の繰上返済との優先順位はローン繰上返済シミュレータで確認できます。手取りから積立・FIRE・ローンまでの計算の進め方は資産形成シミュレーションは何から始める?のガイドにまとめています。
注意事項
- 計算結果は将来の運用成果を保証するものではありません。利回りは一定と仮定した理論値です
- 税金(運用益への約20.315%課税)や社会保険料、インフレの影響は考慮していません。新NISA 口座内での運用であれば運用益は非課税です
- 4%ルールの根拠であるトリニティ・スタディは 1926〜1995 年の米国市場を対象にした研究です。過去の実績であり、将来の運用成果や成功確率を保証するものではありません。円建てで生活する場合は為替リスクも加わります
- 会社を辞めると健康保険料・年金保険料が全額自己負担になります。年間生活費にこの分を含めて計算してください
- 出典: Cooley, Hubbard & Walz「Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable」(1998、通称トリニティ・スタディ)、金融庁「NISA 特設ウェブサイト」(2026 年 7 月時点)
- 実際の投資判断・リタイア判断はご自身の責任で行ってください
よくある質問
- 4%ルールの根拠は何ですか?
- 1998年に米国の大学教授らが発表した「トリニティ・スタディ」という研究が根拠です。株式と債券に分散投資したポートフォリオから毎年資産の4%を取り崩しても、過去の市場データに基づくシミュレーションで30年間資産が尽きなかった確率が高いという結果に基づいています。将来の運用成果を保証するものではありません。
- 年間生活費はどう見積もればいいですか?
- 直近1年間の家計簿やクレジットカード・銀行口座の支出合計を使うのが最も正確です。旅行や家電の買い替えなど毎年は発生しない特別支出を除いた「経常的な生活費」で計算すると、必要資産額の見積もり精度が上がります。
- 税金は考慮されていますか?
- 考慮していません。本ツールの計算結果は税引前です。課税口座からの取り崩しには運用益に約20.315%の税金がかかるため、実際には計算結果より多めの資産を見込んでおくと安全です。新NISA口座内での運用であれば運用益は非課税です。
- サイドFIREやバリスタFIREのシミュレーションもできますか?
- 完全リタイアせず一部の労働収入で生活費の一部を賄う想定であれば、「年間生活費」に労働収入で埋められない不足分だけを入力してください。必要資産額と達成年齢がその分小さく計算されます。年間生活費 300 万円のうち 100 万円を労働収入で賄うなら、必要資産は 5,000 万円と完全 FIRE の 7,500 万円より 2,500 万円少なくなります。
- 4%ルールは日本でもそのまま使えますか?
- そのまま当てはめるのは危険です。トリニティ・スタディは 1926〜1995 年の米国市場・ドル建てのデータに基づくもので、円で生活する場合は為替リスクが加わります。一方で日本には 65 歳からの公的年金があり、会社を辞めると健康保険料・年金保険料が全額自己負担になります。取り崩し率を 3.5% や 3% に落として保守的に見積もる考え方もあります。
- 取り崩し率を 4% から下げると必要資産はどう変わりますか?
- 年間生活費 300 万円の場合、取り崩し率 5% なら 6,000 万円、4% なら 7,500 万円、3.5% なら約 8,571 万円、3% なら 1 億円が必要資産額です。35 歳・資産 300 万円・毎月 10 万円積立・利回り 5% で計算すると、達成年齢はそれぞれ 58 歳・62 歳・64 歳・66 歳になります。
- インフレは考慮されていますか?
- 考慮していません。物価上昇を織り込むなら、「想定利回り」に期待リターンから想定インフレ率を引いた実質利回りを入力してください。年 5% の利回りでインフレ年 2% を想定するなら 3% と入力します。上記の条件では達成年齢が 62 歳から 68 歳へ 6 年ずれます。
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