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資産形成シミュレーションは何から始める?4ステップの計算順

「将来のためにお金を計算したいけれど、何から手をつければいいか分からない」——資産形成のシミュレーションは、順番に計算すると迷いません。このページでは、手取りを知る → 家計を配分する → 積立を試算する → 出口(FIRE と取り崩し)を決めるという流れを、1 人のモデルケースの数字を最後までつなげて示します。途中で数字を作り直さないので、各ステップの結果が次のステップの入力になっていく感覚がつかめるはずです。いずれのツールも無料・登録不要で、入力した年収や残高が外部サーバーに送信されることはありません。

どのツールをどの順番で使う?早見表

資産形成は「毎月いくら投資に回せるか」を知ることから始まります。まず手取りを把握し、その一部を積立に回す計画を立て、目標(早期リタイアや老後資金)を設定し、最後に住宅ローンがあれば繰上返済とのバランスを考える、という順番が基本です。

以降は「32 歳・年収 500 万円・独身・現在の金融資産 200 万円」という 1 つのモデルケースで、この順に数字を追っていきます。

STEP 1: 手取りはいくら?投資に回せる額の上限を知る

資産形成の出発点は「毎月自由に使えるお金がいくらあるか」です。額面(年収)ではなく、社会保険料と税金を引いた手取りで考えます。年収 500 万円(40 歳未満・扶養なし)の内訳は次のとおりです。

項目年額年収に対する割合
社会保険料734,500 円14.7%
所得税91,100 円1.8%
住民税242,000 円4.8%
手取り3,932,400 円78.6%

手取りは年 3,932,400 円、月あたり 327,700 円です。引かれる額が一番大きいのは社会保険料(734,500 円)で、内訳は厚生年金 457,500 円・健康保険 252,000 円・雇用保険 25,000 円。40 歳になると介護保険料が加わるため、同じ年収でも手取りは減ります。自分の年収での金額は手取り計算ツールで確認できます。2026 年(令和 8 年)の税制改正による基礎控除・給与所得控除の引き上げも反映済みです。

配偶者や親の扶養に入りながらパート・アルバイトで働いている場合は、この STEP 1 に進む前に年収の壁を確認してください。壁を超えると本人に税金や社会保険料が新たに発生し、積立に回せる額そのものが変わるためです。壁までの残り金額とあと何時間働けるかは年収の壁シミュレーターで計算できます。

STEP 2: 手取りをどう配分する?生活費と投資額の線引き

「余ったら投資する」では貯まりません。手取りが分かった時点で、先に投資に回す額を決めてしまいます。独身世帯の目安配分(袋分け予算計算ツールのプリセット)を、月 327,700 円に当てはめた結果です。

費目割合月額
住居費28%91,756 円
食費15%49,155 円
水道光熱費6%19,662 円
交通・通信10%32,770 円
保険・医療4%13,108 円
被服・日用品5%16,385 円
趣味・娯楽7%22,939 円
貯蓄・投資25%81,925 円

貯蓄・投資の枠は 81,925 円。切りのよい月 80,000 円を積立額として、以降の試算はこの金額で通します。残りの 247,700 円(年 2,972,400 円)が生活費です。この 2 つの数字が、STEP 3 と STEP 4 の入力になります。

比率は住んでいる地域や家賃で当然変わります。家賃が 91,756 円を大きく超えるなら、投資枠を削る前に住居費の見直しを検討する順番です。費目ごとの調整は袋分け予算計算で、考え方は家計の黄金比とは?で扱っています。

STEP 3: 毎月の積立は将来いくらになる?複利の力

月 80,000 円を年率 4% で 20 年積み立てると、元本 1,920 万円 に対して最終資産額は 2,934.2 万円、運用益は 1,014.2 万円 です。20 年後の資産のうち 35% を運用益が占めます。

0円1,250万円2,500万円3,750万円5,000万円5年: 元本 480万円5年: 運用益 50万円5年10年: 元本 960万円10年: 運用益 218万円10年15年: 元本 1,440万円15年: 運用益 529万円15年20年: 元本 1,920万円20年: 運用益 1,014万円20年経過年数
元本運用益

元本は毎年一定のペースで積み上がるのに対し、運用益は後半ほど大きく伸びます。運用益が資産に占める割合は 10 年時点で 19% ですが、20 年時点では 35% です。利回りを変えるとこの比率がどう動くかを並べたのが次の表です。

想定利回り10 年後20 年後運用益(20 年)
年 3%1,117.9 万円2,626.4 万円706.4 万円
年 4%1,178 万円2,934.2 万円1,014.2 万円
年 5%1,242.3 万円3,288.3 万円1,368.3 万円
年 6%1,311 万円3,696.3 万円1,776.3 万円

いずれも元本は 1,920 万円(月 80,000 円 × 240 か月)。月次複利・期末払いで計算した税引前の理論値です。

年 3% と年 6% で 20 年後の差は 1,069.9 万円。利回りの置き方ひとつで結論が大きく動くため、強気の数字で計画を立てないことが実務的には重要です。過去の長期平均リターンをそのまま将来に当てはめられませんし、どの数字も将来の運用成果を保証しません。数値を変えて試すには積立シミュレータを使ってください。新NISA 口座内での運用なら運用益は非課税で、課税口座との差額は 20.315% 分になります。制度の選び方は新NISAとiDeCoはどっちを先に?で比較しています。

株式だけでなく債券・現金にも分けて積み立てている場合は、積立を続けるうちに当初決めた比率からズレていきます。相場が動いた分だけ株式の比率が上がっていることが多いため、資産配分・リバランス計算で現在の比率と目標配分とのズレ、リバランスに必要な売買額を確認しておくと、STEP 3 の積立計画を狙った配分のまま続けられます。

個別株を複数回に分けて買っている場合は、加重平均の取得単価を把握しておくと評価損益や損益分岐点が分かりやすくなります。株の平均取得単価・ナンピン計算では、約定を入力するだけで平均取得単価を自動計算でき、下落時に買い増すと平均単価がいくらまで下がるかも逆算できます。

STEP 4: 何歳で働かなくてよくなる?必要資産額と達成年齢

必要資産額は「年間生活費 ÷ 取り崩し率」で求めます。いわゆる 4%ルールなら年間生活費のちょうど 25 倍です。STEP 2 で出した生活費 年 2,972,400 円をそのまま使うと、必要資産額は 7,431 万円。現在資産 200 万円・月 80,000 円積立・年 4% で計算すると、到達は 66 歳(34 年後)という結果になります。

つまりこのモデルケースでは、教科書どおりの配分で淡々と積み立てても「早期」リタイアにはなりません。ここで効くのが生活費の削減です。生活費を月 200,000 円まで落とすと、必要資産額が 6,000 万円 に下がると同時に、積立額が月 127,700 円へ増えます。

前提月の生活費月の積立額必要資産額達成年齢
黄金比どおり247,700 円80,000 円7,431 万円66 歳
生活費を圧縮200,000 円127,700 円6,000 万円55 歳

生活費を月 47,700 円削っただけで達成年齢が 11 年早まりました。支出の削減はゴールを下げると同時に到達速度を上げる、二重に効く操作だからです。利回りを 1% 高く見積もるより確実で、しかも自分でコントロールできます。自分の条件での計算はFIRE達成年齢計算で行えます。労働収入を一部残すサイド FIRE を狙うなら、生活費の不足分だけを入力すれば必要資産額はさらに小さくなります。

貯めた資産は何年もつ?取り崩しの試算

資産形成の最後の工程は「取り崩し」です。積立の試算だけで終わると、実際に使い始めてから足りるのかが分かりません。必要資産額 7,431 万円 に到達したあと、毎月 247,700 円を取り崩す前提で残高の推移を計算してみます。

  • 運用を年 4% で続けられた場合: 取り崩し額が運用益とほぼ釣り合うため、100 年の計算期間内では資産が尽きません
  • 運用が年 3% に落ちた場合: 46 年 4 か月で残高がゼロになります(取り崩し開始が 66 歳なら 112 歳)

取り崩し率 4% は「4% で運用できる前提」ではなく「4% ずつ引き出しても 30 年もった過去データがある」という意味の目安です。上の 2 行が示すとおり、想定より 1% 低いだけで結果は「尽きない」から「尽きる」へ変わります。実際には税金(課税口座なら運用益に 20.315%)とインフレも効くため、計算結果より多めの資産を見込むか、リタイア後も一定の収入を残す設計が現実的です。取り崩しの推移は積立シミュレータの取り崩しモードで確認できます。

住宅ローンは繰上返済すべき?投資と比べる

住宅ローンがある人は、余裕資金を「繰上返済」に使うか「投資」に回すかで迷います。残高 3,000 万円・金利年 1.5%・残り 35 年(月返済 91,855 円)のローンに 100 万円を繰り上げた場合の効果です。

方式効果軽減される利息
期間短縮型完済が 18 か月早まる671,801 円
返済額軽減型毎月の返済が 3,062 円減る285,975 円

期間短縮型のほうが利息の軽減額は 385,826 円大きくなります。一方、同じ 100 万円を年 4% で 35 年運用できたとすると理論上は 394.6 万円、増加分は 294.6 万円 です。金利 1.5% の借金を減らす効果より、期待リターン 4% の運用のほうが数字は大きく出ます。

ただし繰上返済の 671,801 円は確定した利息の軽減で、投資の 294.6 万円は不確実な期待値です。性質が違うものを金額だけで比べても答えは出ません。加えて、住宅ローン控除(年末残高の 0.7% が減税)の適用期間中は、繰上返済で控除額そのものが減る点にも注意が必要です。金利が 0.7% を下回るなら、控除期間が終わるまで繰り上げないほうが有利になることがあります。数字の確認はローン繰上返済シミュレータ積立シミュレータを並べて行ってください。

ここまでは「すでに借りている」前提の話です。これから住宅ローンを組む段階なら、順序は逆になります。まず住宅ローン返済シミュレーターで毎月返済額と借入可能額の目安を確認し、その返済額を STEP 2 の家計配分に織り込んでから積立額を決めてください。借入額 3,000 万円・金利年 1.5%・35 年なら毎月の返済は約 9.2 万円で、この額が固定費として毎月の積立余力を先に削ります。

配当金の課税方式はどれが有利?

配当金を受け取った場合、申告分離課税(20.315%)・総合課税(配当控除あり)・NISA(非課税)のどれが有利かは、他の所得額によって変わります。課税所得がおおむね 900 万円以下なら、配当控除が効く総合課税の方が手取りが増える傾向があります。配当金手取り計算シミュレーターで 3 方式の手取りを比較し、最適な方式を判定できます。収入の種類ごとに何が引かれるかの整理は手取りはいくら?給与・ボーナス・退職金・配当の違いにまとめてあります。

シミュレーション結果は保証されるもの?

いずれのツールも、利回りを一定と仮定した理論値の概算です。実際の相場は毎年上下し、この記事の表のように滑らかには増えません。将来の運用成果や税制を保証するものではありません。過去の実績も、将来のリターンを約束しません。実際の投資判断・返済判断はご自身の状況に合わせて行ってください。入力したデータはすべてブラウザ内で処理され、外部に送信されることはありません。

各ツールの詳しい使い方・計算式は、それぞれのツールページの解説をご覧ください:手取り計算 /袋分け予算計算 /積立シミュレータ /FIRE達成年齢計算 /ローン繰上返済シミュレータ /住宅ローン返済シミュレーター /配当金手取り計算

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