ローン繰上返済シミュレータ
入力欄の数値はあくまで入力例です。ご自身の数値に置き換えて計算してください。
ローン繰上返済シミュレータは、住宅ローンの繰上返済でどれだけ利息が減るかを、「期間短縮型」と「返済額軽減型」の 2 方式で並べて計算するツールです。同じ繰上返済額でどちらが得か、何年短縮できるか、毎月いくら楽になるかを一度に比較できます。元利均等返済の返済予定表を月単位でシミュレーションしているため、端数月まで含めた実際に近い金額が出ます。
- 「ローン残高」に現在の残高を円単位で入力します(例: 30,000,000 円)
- 「金利」に借入中の年率をパーセントで入力します(例: 1.5%)
- 「繰上返済額」に一度に繰り上げる金額を入力します(例: 1,000,000 円)
- 「残り返済期間」を年と月で入力し、「計算する」を押します
残高・金利・残り期間は、金融機関から届く返済予定表(償還予定表)やネットバンキングの残高照会で確認できます。期間短縮型・返済額軽減型それぞれの軽減利息額と、短縮できる期間・新しい毎月返済額が表示されます。
期間短縮型と返済額軽減型はどっちが得?
利息の軽減額だけを比べると、同じ繰上返済額なら期間短縮型のほうが必ず得になります。毎月の返済額を据え置いたまま元本を減らすため、元本が早く減り、利息のかかる期間そのものが短くなるからです。返済額軽減型は残りの返済期間を変えずに毎月の返済額を下げるため、利息の軽減効果は期間短縮型より小さくなります。
残高 3,000 万円・金利年 1.5%・残り 30 年(毎月返済額 103,536円、総利息 7,272,983 円)のローンで、繰上返済額を変えて比較すると次のようになります。
| 繰上返済額 | 期間短縮型:短縮期間 | 期間短縮型:軽減利息 | 返済額軽減型:毎月の軽減 | 返済額軽減型:軽減利息 |
|---|---|---|---|---|
| 50 万円 | 7 ヶ月 | 280,721 円 | −1,726 円/月 | 121,216 円 |
| 100 万円 | 1 年 3 ヶ月 | 554,187 円 | −3,451 円/月 | 242,433 円 |
| 300 万円 | 3 年 8 ヶ月 | 1,577,760 円 | −10,354 円/月 | 727,298 円 |
| 500 万円 | 6 年 0 ヶ月 | 2,494,906 円 | −17,256 円/月 | 1,212,164 円 |
100 万円を繰り上げた場合、期間短縮型の軽減利息 554,187 円に対して返済額軽減型は 242,433 円。差は 311,754 円で、期間短縮型のほうが約 2.3 倍の効果があります。一方で返済額軽減型には毎月 3,451 円の支出が減るというメリットがあり、年間 41,412 円のキャッシュフローが生まれます。教育費のピークが近い、収入が不安定になりそう、といった事情があるなら、利息の軽減額が小さくても返済額軽減型を選ぶ合理性があります。
なお金融機関によっては繰上返済のたびに方式を選べるため、「子どもが大学を出るまでは返済額軽減型、その後は期間短縮型」という使い分けも可能です。
繰上返済とは?なぜ利息が減る?
繰上返済とは、毎月の返済とは別にまとまった金額を返し、その全額を元本(元金)の返済に充てることです。通常の毎月返済は「利息 + 元本」の内訳になっていますが、繰上返済分は 1 円残らず元本に充当されます。元本が減れば、それ以降の毎月の利息計算のもとになる残高が小さくなるため、支払う利息の総額が減ります。
効果が大きいのは、返済が始まって間もない時期です。元利均等返済は返済初期ほど返済額に占める利息の割合が高く、元本がなかなか減りません。同じ 100 万円の繰上返済でも、残り 35 年の時点と残り 10 年の時点では軽減できる利息が 4 倍以上違います。
繰上返済で利息はどれだけ減る?(計算式と具体例)
元利均等返済の毎月返済額は「返済額 = 残高 × 月利 × (1 + 月利)返済回数 ÷ {(1 + 月利)返済回数 − 1}」で求めます(月利 = 年利 ÷ 12)。本ツールもこの式で毎月返済額を出したうえで、繰上返済後の残高に対して「利息付与 → 定額返済」を月単位で繰り返し、完済月と総返済額を求めています。
残高 3,000 万円・金利年 1.5%・残り 30 年(360 回)で手順を追うと次のとおりです。
- 月利 = 0.015 ÷ 12 = 0.00125
- (1 + 0.00125)360 = 1.567872
- 毎月返済額 = 3,000 万 × 0.00125 × 1.567872 ÷ (1.567872 − 1) = 103,536 円
- 繰上なしの総返済額 = 毎月返済額 × 360 回 ≒ 37,272,983 円 → 総利息 7,272,983 円(本ツールは丸め誤差の蓄積を避けるため未丸めの返済額で計算しています)
- 100 万円を繰り上げると残高は 2,900 万円。毎月 103,536 円のまま返し続けると 345 回で完済し、総利息は 6,718,796 円 → 軽減利息 554,187 円、短縮期間 15 ヶ月
100 万円を投じて 554,187 円の利息が消える、つまり繰り上げた元本に対して 55.4% のリターンがあった計算になります。返済額軽減型の場合は 360 回のまま毎月返済額が 100,085 円に下がり、総利息は 7,030,550 円 → 軽減利息 242,433 円です。
金利や残り期間で効果はどう変わる?
金利が高いほど、残り期間が長いほど繰上返済の効果は大きくなります。残高 3,000 万円・残り 30 年に 100 万円を繰り上げた場合、金利別の効果は次のとおりです。
| 金利(年率) | 毎月返済額 | 繰上なしの総利息 | 期間短縮型:短縮期間 | 期間短縮型:軽減利息 |
|---|---|---|---|---|
| 0.5% | 89,757 円 | 2,312,467 円 | 1 年 0 ヶ月 | 158,916 円 |
| 1.0% | 96,492 円 | 4,737,068 円 | 1 年 1 ヶ月 | 342,440 円 |
| 1.5% | 103,536 円 | 7,272,983 円 | 1 年 3 ヶ月 | 554,187 円 |
| 2.0% | 110,886 円 | 9,918,903 円 | 1 年 4 ヶ月 | 798,209 円 |
金利 0.5% では 158,916 円の軽減にとどまるのに対し、2.0% では 798,209 円。金利が 4 倍で軽減額は約 5 倍です。残り期間の影響も同様に大きく、残高 3,000 万円・金利 1.5% に 100 万円を繰り上げた場合、残り 35 年なら 671,801 円、残り 30 年なら 554,187 円、残り 20 年なら 342,623 円、残り 10 年なら 159,294 円まで下がります。「いつかまとめて繰り上げよう」と待つほど効果が薄れるということです。
住宅ローン控除を受けている間は繰上返済を待つべき?
ローン金利が控除率 0.7% を下回っているなら、控除期間中は待ったほうが有利になることがあります。住宅ローン控除は年末のローン残高の 0.7% が所得税・住民税から差し引かれる制度で、控除期間は新築住宅等が原則 13 年、既存住宅が 10 年です(令和 8 年度改正で省エネ性能の高い既存住宅は 13 年)。
判断の目安はシンプルで、(控除率 0.7% − ローン金利) × 繰上返済額 × 控除の残り年数が「待つことで得られる金額」になります。
- 金利 0.6%・繰上返済 100 万円・控除の残り 10 年 → (0.7% − 0.6%) × 100 万 × 10 年 = 約 1 万円だけ待つほうが得
- 金利 0.4% なら (0.7% − 0.4%) × 100 万 × 10 年 = 約 3 万円
- 金利が 0.7% を超えていれば、待つメリットはありません。すぐ繰り上げたほうが得です
ただし、この計算が成り立たないケースが 3 つあります。
- 納税額が控除枠より少ない場合: 控除は所得税と住民税から「差し引く」制度なので、そもそも納めている税額が少ないと満額を使い切れません。この場合、残高を減らしても失う控除は計算上の額より小さくなります
- 年末残高が借入限度額を超えている場合: 控除の対象になる年末残高には住宅の環境性能等に応じた上限があります。残高がその上限を上回っているなら、繰り上げて残高を減らしても控除額は変わりません
- 期間短縮型で償還期間が 10 年未満になる場合: 住宅ローン控除は償還期間 10 年以上が要件です。期間短縮型の繰上返済によって、当初の契約で最初に返済した月から短縮後の最終返済月までが 10 年未満になると、その年以降は控除を受けられなくなります。返済終盤に大きく繰り上げるときは要注意です
毎年いくら控除されているかは源泉徴収票または確定申告書で確認できます。手取りベースでいくら繰上返済に回せるかは年収の手取り計算、年末調整で戻る金額は年末調整の還付金計算で試算してください。
繰上返済に手数料や最低金額はある?
金融機関によって異なりますが、ネットバンキング経由の一部繰上返済は無料、窓口や電話での手続きは数千円から数万円の手数料という設定が一般的です。最低金額も 1 万円から受け付ける銀行もあれば、1 円単位や 100 万円単位を条件にする銀行もあります。手数料がかかる場合は、軽減される利息が手数料を上回るかを確認してください。
たとえば残高 500 万円・金利 1.5%・残り 1 年の状態で 100 万円を繰り上げても、軽減利息は 14,143 円にとどまります。ここに手数料 5,500 円がかかれば実質的な効果は 8,643 円。一方、残高 3,000 万円・金利 1.5%・残り 30 年での 100 万円なら軽減利息は 554,187 円なので、手数料は誤差の範囲です。手数料がかかる条件では、少額を何度も繰り上げるより、ある程度まとめて 1 回で繰り上げるほうが効率的です。正確な条件はご契約先の商品説明書か返済予定表でご確認ください。
変動金利の場合はどう考えればいい?
本ツールは入力した金利が完済まで続く前提で計算するため、変動金利の場合は「今の金利のまま推移したときの下限の効果」として読んでください。金利が上がれば繰上返済の効果はそのぶん大きくなります。上の金利別の表で 0.5% と 1.5% を見比べると、同じ 100 万円の繰上返済でも軽減利息が 158,916 円と 554,187 円で 3 倍以上違うことが分かります。
変動金利型の多くには、金利が上がっても 5 年間は毎月返済額を据え置く「5 年ルール」と、見直し時の増額を 1.25 倍までに抑える「125% ルール」があります。これらは返済額を抑えるだけで利息そのものを免除する仕組みではないため、金利上昇局面では返済額に占める利息の割合が増え、元本の減りが遅くなります。極端な場合は利息が返済額を超えて未払利息が発生します。金利上昇に備えるなら、返済額軽減型より元本を確実に減らせる期間短縮型のほうが効果的です。
繰上返済と投資はどちらを優先すべき?
判断の基準は、ローン金利を税引後に換算した利回りと、投資で期待できるリターンのどちらが高いかです。繰上返済は「ローン金利ぶんの確実なリターン」を得るのと同じで、投資と違って元本割れがありません。金利 1.5% のローンを繰り上げることは、年 1.5% で確実に運用できたのと同じ効果です。しかも投資の運用益には課税口座で 20.315% の税金がかかるため、税引後で比べると 1.5% ÷ (1 − 0.20315) ≒ 年 1.88% の運用に相当します。
逆に言えば、NISA のような非課税口座で年率数%のリターンが期待できるなら、低金利のローンを急いで返すより投資に回したほうが期待値は高くなります。ただし投資のリターンは不確実で、期待どおりにならない年もあります。実際にどちらがいくらになるかは積立シミュレータの結果と、上の軽減利息を並べて比べてください。判断の順序としては、金利 15% 前後のリボ払いなど高金利の借入があれば最優先で完済し、次に生活防衛資金(生活費の半年〜1 年分)を確保、NISA・iDeCo の非課税枠を活用、それでも余る資金で繰上返済、という流れが無難です。NISA と iDeCo はどちらを優先すべき?のガイドもあわせてご覧ください。
この試算に含まれていない条件は?
- 元利均等返済を前提とした概算です。元金均等返済や、繰上返済手数料・保証料の戻りは考慮していません
- 入力した金利が完済まで一定である前提で計算しています。変動金利型の将来の金利変動は反映されません
- ボーナス返済併用のローンには対応していません。ボーナス返済分がある場合は実際の金額と差が出ます(ボーナス併用の毎月返済額は住宅ローン返済シミュレーターで計算できます)
住宅ローン控除・団信との兼ね合いの出典は?
住宅ローン控除の控除率・控除期間の出典: 国土交通省「住宅ローン減税」。繰上返済で償還期間が 10 年未満になった場合の取扱いの出典: 国税庁「繰上返済等をした場合の償還期間」(いずれも 2026 年 7 月時点)。住宅ローン控除・団体信用生命保険との兼ね合いは各家庭の状況で異なります。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。
よくある質問
- 期間短縮型と返済額軽減型はどちらが得ですか?
- 利息の軽減額だけを比べると、同じ繰上返済額なら期間短縮型のほうが必ず得です。繰り上げた元本が利息計算の対象から早く外れるためです。残高3,000万円・金利年1.5%・残り30年で100万円を繰り上げた場合、期間短縮型の軽減利息は554,187円(15ヶ月短縮)、返済額軽減型は242,433円(毎月3,451円減)で約2.3倍の差があります。ただし毎月の返済負担を軽くしたい場合や、教育費のピークが近い場合は返済額軽減型が向いています。
- 繰上返済で利息はどのくらい減りますか?
- 残高3,000万円・金利年1.5%・残り30年のローンで100万円を期間短縮型で繰り上げると、軽減利息は554,187円で返済期間は15ヶ月短くなります。繰り上げた元本に対して55.4%のリターンに相当します。金利が高いほど、残り期間が長いほど効果は大きく、同条件で金利0.5%なら158,916円、2.0%なら798,209円。残り10年まで待つと159,294円まで下がります。
- 繰上返済はしない方がいい場合もありますか?
- 住宅ローン控除の期間中でローン金利が控除率0.7%を下回る場合は、待ったほうが有利になることがあります。目安は(0.7% − ローン金利)× 繰上返済額 × 控除の残り年数で、金利0.6%・100万円・残り10年なら約1万円です。また期間短縮型の繰上返済で償還期間が10年未満になると、その年以降は住宅ローン控除自体を受けられなくなります(国税庁「繰上返済等をした場合の償還期間」)。手元資金を使い切って生活防衛資金がなくなる場合も見送りを検討してください。
- 繰上返済に手数料はかかりますか?
- 金融機関によって異なり、ネットバンキング経由の一部繰上返済は無料、窓口や電話は数千円から数万円という設定が一般的です。最低金額も1万円からの銀行もあれば100万円単位の銀行もあります。手数料がかかる条件なら、少額を何度も繰り上げるよりまとめて1回で繰り上げるほうが効率的です。残高500万円・金利1.5%・残り1年で100万円を繰り上げても軽減利息は14,143円なので、手数料5,500円がかかると実質8,643円まで目減りします。
関連ツール
金融
住宅ローン返済シミュレーター
借入額・金利・期間から住宅ローンの毎月返済額と総利息を無料計算。3,000万円・1.5%・35年なら月91,855円。元利均等と元金均等の比較、年収からの借入可能額の逆算、償還表の表示に対応。
金融
積立シミュレータ
毎月の積立額・想定利回り・期間から将来の資産額を複利で無料計算。毎月3万円を20年なら年率5%で約1,233万円。積立から取り崩しまで一気通貫でシミュレーションでき、新NISA のつみたて投資の目安づくりに使えます。
金融
リボ払い・分割払い手数料シミュレータ
リボ払い・分割払いで実際にいくら手数料を払うのかを計算する無料シミュレーター。残高・実質年率・月々の支払額から完済回数と手数料総額、元本と手数料の年次内訳グラフを表示。一括払いとの差額もわかる。登録不要・ブラウザ内で完結。
金融
家計の黄金比 自動計算(袋分け予算・理想の支出割合)
手取り月収と世帯構成を入れるだけで家計の黄金比を自動計算する無料ツール。食費・住居費・貯蓄など8費目の理想的な配分を金額で表示し、比率はスライダーで調整できます(合計は常に 100%)。家計の見直し・節約の出発点に。登録不要・ブラウザ内で完結。