
くじ引き・抽選・順番決めをブラウザだけで行う方法まとめ
ブラウザのくじ引きが保証する公平さは、1 回ごとの等確率、並び全体の等確率、全員と結果の 1 対 1 対応の 3 通りに分かれます。発表の順番を決める、当番をくじで決める、二手に分かれる。日常の抽選ごとは紙のくじやアプリを用意しなくてもブラウザを開くだけで片づきますが、どれを保証している道具かで向く場面が変わります。
公開日: 2026年7月17日 / 更新日: 2026年10月21日
公開: / 更新: / 制作・運営: ハコツールズ運営者
ブラウザのくじ引きは、結果をどう決めている?
ブラウザに組み込まれている乱数生成関数 Math.random() を使い、0 以上 1 未満の実数を取り出して結果に対応づけています。特別なサーバーとの通信は行わず、計算はすべて端末の中で完結します。
たとえばルーレットで 5 択のうち 1 つを選ぶときは、Math.random() が返した値を 5 倍して小数を切り捨て、0〜4 の整数に変換しています。0 以上 1 未満の値が一様に出る前提なので、どの番号も 20% ずつ選ばれます。班分けやビンゴのように「並び順をかき混ぜる」処理では、末尾から順に「まだ確定していない範囲の中からランダムに 1 つ選んで入れ替える」Fisher-Yates シャッフルを使います。この手順は n 個の並べ方 n 通りの階乗すべてを等しい確率で作れることが知られており、30 人の名簿なら 30 の階乗、およそ 2.65 x 10 の 32 乗通りの並びが同じ確率で現れます。単純に「ランダムな 2 つを何回か入れ替える」やり方では、この均等さは保証されません。
Math.random() の中身は、内部の状態を計算で更新しながら次の値を作る擬似乱数です。たとえば Chrome や Edge の JavaScript エンジン(V8)では xorshift128plus というアルゴリズムが使われています。統計的な性質は良好で、日常の抽選や順番決めには十分ですが、暗号学的に安全な乱数ではありません。ハコツールズのランダム系ツールは crypto.getRandomValues() のような暗号用の乱数源は使っていないため、景品表示法が関わる懸賞や、第三者に対して公正性を証明する必要がある抽選には、専用の仕組みを利用してください。逆に言えば、社内の当番決めやイベントの席順といった用途では、紙のくじのように「折り目や紙の厚みで中身が推測できてしまう」心配がないぶん、こちらのほうが公平です。
道具によって「公平」の中身はどう違う?
保証している内容が 3 通りに分かれます。1 回ごとの等確率、並び全体の等確率、全員と結果の 1 対 1 対応です。同じ「ランダムに決める」でも、どれを保証しているかで向く場面が変わります。
1 回ごとの等確率を保証するのは決めるルーレットとサイコロ・コイントスです。5 択なら毎回どれも 20%、コイントスなら表裏が 50% ずつで、前の結果は次に影響しません。ランチの店や罰ゲームのように「1 つだけ選べればいい」場面がこれに当たります。等確率が初期状態なので、崩したいときは同じ選択肢を複数行入れます。4 行のうち 2 行が同じ名前なら、その人が当たる確率は 50% です。前回やった人の負担を軽くするといった調整を、行数で表現できます。
並び全体の等確率を保証するのは順番決めシャッフル・班分け・グループ分けツール・ビンゴカード作成です。1 つを選ぶのではなく、リスト全体をかき混ぜたうえで切り分けます。発表順を決めるなら、結果側に「1 番目」「2 番目」と並べたリストを作る必要がなく、Excel の 1 列をそのまま貼れば済みます。班分けはかき混ぜたあとに 1 人ずつ順に配るので、30 人を 4 班に分ければ 8 / 8 / 7 / 7 と人数差が必ず 1 人以内に収まります。先頭から 8 人ずつ切り出す方式にありがちな「最後の班だけ 6 人」は起きません。ビンゴカードも同じ考え方で、1〜75 から中央のフリーマスを除く 24 マス分を重複なく選ぶため、1 枚の中に同じ数字が二度出ることはありません。
あみだくじだけは保証の種類が違い、全員に別々の結果が漏れなく割り当たることを保証します。席替えのように「2 人が同じ席に当たってはいけない」場面で効くのがこの性質です。ただしどの結果に当たるかの確率は均等ではありません。その理由と対処は次の見出しで扱います。
入力できる量にも違いがあります。ルーレットは選択肢を最大 100 個、あみだくじは参加者 2〜12 人、サイコロは 2〜100 面のものを最大 10 個まとめて振れます。面数が広いので、TRPG で使う 20 面ダイスや 100 面ダイスもそのまま再現できます。班分けは人数の上限がなく、名簿を改行・カンマ・読点のどれで区切って貼り付けても認識します。
あみだくじは、どの結果も同じ確率で当たる?
いいえ。参加者と結果が 1 対 1 で対応することは横線の配置に関係なく保証されますが、どの結果に到達するかの確率は均等ではありません。あみだくじには「自分の真下に近い結果へ落ちやすい」という構造的な性質があるためです。
ハコツールズのあみだくじは、縦線の各境界に最低 1 本の横線を保証したうえで、残りのマスへ確率 30% で横線を追加し、段数は人数の 2 倍(最低 8 段)としています。この条件で 12 人・24 段を試すと、左端の参加者が 1 番目の結果に到達する確率は約 22%、2 番目が約 21%、3 番目が約 18% と続き、右端の 12 番目に届く確率は約 0.1% しかありません。一様なら各 8.3% ですから、かなりの差です。4 人・8 段でも左から順に約 31% / 28% / 23% / 19% で、一様な 25% からはずれます。
段数を大きく増やせば分布は平準化されますが、実用的な段数では偏りは残ります。実務上の対処は簡単で、結果の並びを自分でシャッフルしてから貼り付けることです。結果欄は入力した順で使われるため、当たりを先頭に固定しなければ、どの参加者から見ても有利不利のない状態になります。景品のように厳密な等確率が求められる場面では、選択肢ごとの当選確率が完全に均等な決めるルーレットや、シャッフルで割り振る班分けツールのほうが適しています。あみだくじが向くのは「全員に別々の結果を漏れなく割り当てたい」場面です。
同じ結果ばかり出るのは、壊れているから?
ほとんどの場合は正常です。ランダムな試行では、短い回数のうちに同じ結果が続くことは珍しくありません。5 択のルーレットなら、2 回連続で同じ選択肢が出る確率は 5 分の 1 で 20%、3 回連続でも 25 分の 1 で 4% あります。20 回まわせば、どこかで 3 連続が起きるほうがむしろ自然です。
もう少し極端な例も挙げておきます。コイントスで表が 10 回連続する確率は 2 の 10 乗分の 1 で約 0.098%、「表か裏のどちらかで 10 連続」なら約 0.2% です。6 面サイコロを 6 回振って特定の目(たとえば 1)が一度も出ない確率は 6 分の 5 の 6 乗でおよそ 33% あり、3 回に 1 回はそうなります。「6 回振れば 1 回くらいは 1 が出るはず」という直感は外れています。
偏りが消えていくのは試行回数を増やしたときです。コイントスで表が出た割合のばらつき(標準偏差)は、10 回では約 15.8 ポイント、100 回では 5.0 ポイント、1,000 回では約 1.6 ポイントまで小さくなります。10 回投げて表が 7 回でも誤差の範囲ですが、1,000 回投げて 700 回ならさすがに疑ってよい水準です。少ない回数で「偏っている」と感じたときは、たいてい回数のほうが足りていません。
イベント運営でくじを使うときのコツは?
「同じ人を二度選ばない」「全員に行き渡らせる」を仕組みで担保するのがコツです。抽選のたびに引き直す方式は、思っている以上に重複します。
- 景品抽選で、10 人の中からルーレットを 5 回まわして当選者を選ぶと、当選者に重複が出る確率は約 70% にもなります。当選者を毎回リストから削除してから次を回すか、くじ引きツールで「10 本中 5 本が当たり」を一括抽選するほうが確実です。景品の口数だけ当たりを混ぜる方式なので参加者名の入力が要らず、当日配る紙のくじも印刷できます。誰がどの景品かを事前に決めておきたい場合は、1 対 1 で対応づけるあみだくじが向きます。
- 週替わりの当番や掃除分担は班分けツールで先に全員をグループに割り振り、グループ単位でローテーションさせると、一度決めれば数か月分の予定が確定します。
- 席替えには、席番号を結果側に並べたあみだくじが向いています。1 対 1 対応が保証されるため、2 人が同じ席に割り当てられることがありません。
- オンライン会議では、画面共有しながらルーレットを回すと、結果が出る瞬間に全員が立ち会えます。あとから「本当にランダムだったのか」と疑われにくいのが利点です。
- やり直しのルールは回す前に決めておきます。「引き直しは無し」「不在者が出た場合だけ再抽選」といった条件を先に共有しておくと、結果が出てからの調整でもめずに済みます。
紙のくじ・アプリと比べたメリットは?
人数が増えても手間が変わらない点と、参加者の名前を外に出さずに済む点です。紙でくじを作れば 30 人分で 30 枚を切って書いて折ることになりますが、名簿を貼り付ける手間は 3 人でも 300 人でも同じです。アプリのようにストアからのダウンロードや会員登録も要らないので、インストールが制限されている会社の PC でもその場で使えます。
オンライン会議との相性もよく、画面共有しながら回せば結果が出る瞬間に全員が立ち会えます。あとから「本当にランダムだったのか」と疑われにくいのはこのためです。
どのツールを使えばいい?早見表
選択肢から 1 つ選ぶならルーレット、人と結果を対応づけるならあみだくじ、数字や二択ならサイコロ・コイントス、複数のグループに分けるなら班分け、配って遊ぶならビンゴカードが基本の使い分けです。
| ツール名 | できること | 特徴 |
|---|---|---|
| 決めるルーレット | 候補の中から1つを選ぶ | 選択肢は最大100個。同じ選択肢を複数行入れると当選確率を上げられる(4行中2行なら確率50%) |
| あみだくじ | 参加者に役割・順番・当たりを1対1で割り当てる | 参加者2〜12人。全員に別々の結果が漏れなく対応するが、到達確率は均等ではなく左端に近い結果ほど当たりやすい |
| サイコロ・コイントス | 二択や数字をランダムに決める | サイコロは2〜100面を最大10個までまとめて振れる。コイントスは表裏50%ずつ |
| 班分け・グループ分けツール | メンバーを複数のグループに分ける | 人数の上限なし。シャッフル後にラウンドロビンで配分するため、班ごとの人数差は1人以内に収まる |
| ビンゴカード作成 | 参加者に配るビンゴカードを作る | 5×5の標準サイズで1枚ごとに数字の重複なし。一度に100枚まで生成できる |
| くじ引きツール | 当たりの本数を決めて一括で抽選する | くじは最大500本、当たりは5種類まで。参加者名の入力は不要。三角くじ・番号くじを印刷して当日配れる |
| 順番決めシャッフル | リストの並び順だけをランダムに決める | 1回に1,000件まで。結果側のリストが要らず、貼り付けたリスト1本だけで発表順や回し順が決まる |
| ナンプレ問題メーカー | 紙で解くナンプレ(数独)の問題を配る | 4×4・6×6・9×9 と難易度を選んで最大 20 問。押すたびに新しい唯一解の問題ができ、解答は別ページに印刷される |
| パスワード生成 | 条件を満たすランダムな文字列を作る | 4〜64 桁・文字種の選択・紛らわしい文字の除外。暗号用乱数で最大 20 個を一括生成できる |
| 乱数メーカー | 範囲を決めてランダムな数字を一覧で作る | 最大 1,000 個。重複なし・並べ替え・小数に対応し、行 × 列を指定すれば印刷用の乱数表も作れる |
| ワードウルフ | 少数派にだけ違うお題を秘密に配る | 3〜10 人・ウルフ 1〜2 人。スマホ 1 台を回して 1 人ずつお題を確認し、議論タイマーと答え合わせまで進められる |