書類スキャンPDF化(台形補正)
書類を撮った写真をドラッグ&ドロップ、または
JPEG / PNG / WebP に対応。HEIC(iPhone の標準形式)はHEIC→JPG変換を通してから使ってください。写真は端末の外に出ません
書類スキャンPDF化は、斜めから撮った書類の写真を、真上から撮ったような長方形に起こして PDF や JPEG で保存するツールです。写真の上で書類の四隅をドラッグして指定すると、射影変換(ホモグラフィ)で歪みを取り除き、白黒・グレースケール・カラーの仕上げを選んで出力できます。すでに真上から撮れている写真やスクリーンショットのように歪みがない場合は、画像を加工せずそのまま埋め込む画像PDF変換のほうが、再圧縮しない分だけ画質が落ちません。
書類の四隅はどうやって合わせる?
書類スキャンPDF化では、プレビューに出る緑の丸 4 つを、書類の左上・右上・右下・左下の角へドラッグします。ドラッグ中は拡大鏡が出るので、角が影で見えにくい写真でも位置を追い込めます。
- 書類を撮った写真をドラッグ&ドロップするか、「写真を選択」から選びます
- プレビューに出る緑の丸 4 つを、書類の左上・右上・右下・左下の角へ合わせます。ドラッグ中は拡大鏡が出るので、1 ピクセル単位まで追い込めます。マウスを使わない場合は、1〜4 キーで角を選んで矢印キーで動かせます(Shift 併用で 10px 刻み)
- 仕上げ(白黒 / グレー / カラー)とコントラストを選びます
- 「台形補正する」を押すと、指定した四隅が長方形に起きた画像が表示されます
- 「PDF をダウンロード」または「JPEG をダウンロード」で保存します。複数枚を 1 つの PDF にまとめるときは、「このページを確定して次の書類へ」を押して次の写真を読み込みます
台形補正(射影変換)の仕組みは?
四隅の座標から 3×3 の射影変換行列を解き、出力画像の各画素が元写真のどこから来たかを逆算して色を拾います。射影変換は平面と平面の対応を表す変換なので、平らな紙を斜めから撮った歪みなら 1 回で元に戻せます。
射影変換は、元の座標 (x, y) を補正後の座標 (X, Y) へ次の式で写します。分母があるため、遠くの辺ほど縮むという遠近感を表現できます。ここが拡大・回転・平行移動しかできないアフィン変換との違いです。
- X = (h11x + h12y + h13) / (h31x + h32y + 1)
- Y = (h21x + h22y + h23) / (h31x + h32y + 1)
未知数は h11 から h32 までの 8 個です。四隅 1 点につき上の 2 式が立つので、4 点で 8 元連立一次方程式になり、部分ピボット選択つきのガウス消去法で一意に解けます。3 点以上が一直線に並ぶと係数行列が特異になって解けないため、その場合はエラーとして止めます。
出力サイズはどう決まる?
四辺の長さから紙の縦横比を見積もり、長辺が 2000 px を上限として出力サイズを決めます。上辺と下辺の長い方を幅、左辺と右辺の長い方を高さにするため、手前が広がって写った書類でも文字が潰れません。
たとえば四隅を (100, 120)、(900, 60)、(960, 700)、(60, 760) と指定すると、出力は 902 × 643 px になります。このとき求まる行列は h11=1.176、h12=0.073、h13=-126.37、h21=0.087、h22=1.165、h23=-148.58、h31=0.000028、h32=0.000201 です。h31 と h32 が 0 でないことが、遠近の効いた台形であることを表しています。
実際の走査に使うのは、この行列の逆写像です。出力側の画素を順に見て、それが元写真のどこから来たかを引きます。逆にした理由は、元写真の画素を出力側へ飛ばす順方向で走査すると、引き伸ばされた部分に隙間が空いてしまうからです。上の例なら、出力の (451, 321) は元写真の (502.4, 390.9) から来ます。座標が整数になりません。そこで周囲 4 画素をバイリニア補間で混ぜて色を決め、細い文字のギザつきを抑えます。
白黒・グレー・カラーはどう使い分ける?
提出用の文字だけの書類は白黒、印影や手書きの濃淡を残したいならグレー、色の情報が意味を持つ書類はカラーを選びます。白黒がいちばん軽く、文字もくっきり出ます。
| 仕上げ | 向いている書類 | 処理の中身 |
|---|---|---|
| 白黒 | 契約書・申請書・レシート・ノート | 輝度を求めて大津の手法でしきい値を自動決定し、2 値に落とす |
| グレー | 朱肉の印影・鉛筆書き・写真入りの資料 | 輝度に置き換えるだけで、濃淡はそのまま残す |
| カラー | マーカーで色分けした資料・カラー図表・名刺 | RGB を保持し、コントラストだけを調整する |
輝度は ITU-R BT.601 の Y = 0.299R + 0.587G + 0.114B で求めます。人間の目は緑に最も敏感なので、緑の係数がいちばん大きくなっています。純赤 (255, 0, 0) の輝度は 76.2、純緑 (0, 255, 0) は 149.7 です。白黒のしきい値は固定していません。写真ごとに大津の手法で決めます。256 階調のヒストグラムを作り、明暗 2 クラスに分けたときのクラス間分散が最大になる境界を探す方法です。影が落ちて全体が暗い写真でも、その写真なりの紙と文字の境目にしきい値が寄ります。
文字がかすれるときはコントラストを上げてください。中間調の 128 を軸に、係数 259 × (c + 255) ÷ (255 × (259 − c)) を掛けて明暗を広げる処理です。c = 50 なら係数は約 1.48 になり、輝度 160 の薄いグレーは 175 まで明るく、90 の文字は 72 まで沈みます。紙の地と文字が離れるぶん、大津の手法もしきい値を決めやすくなります。
自動で書類の輪郭を検出してくれる?
自動検出には対応していません。四隅は手で指定します(写真を読み込むと、四隅は少し内側に置かれた状態から始まります)。木目の机や罫線入りのマットのように輪郭がまぎれる背景では、自動検出はかえって誤検出しやすく、結局は手で直すことになります。4 点のドラッグは長くても十数秒で終わり、どこを紙の端と見なすか、書類のどの範囲を切り出すかを自分で決められます。
補正できない書類や、出力されるPDFの制約は?
- 補正できるのは平らな紙だけです。丸まった紙・折り目のついた紙・開いた本の綴じ側のように面が曲がっている書類は、射影変換では完全にまっすぐになりません
- OCR(文字認識)は行いません。出力される PDF は画像を貼り付けたもので、本文の文字列検索やコピーはできません
- 読み込んだ写真は長辺 3000px に、補正後の画像は長辺 2000px に収まるよう縮小します。A4 いっぱいに配置した場合、長辺 2000px は約 170dpi 相当で、文字の判読には十分ですが原寸の精細さは保たれません
- 四隅を指定した範囲の外は出力に含まれません。ホチキス留めの端や欄外の注記を残したい場合は、その分だけ外側に四隅を置いてください
- PDF は A4 に収めて出力します。用紙の向きは補正後の縦横比から自動で決まります
- 処理は端末のメモリと CPU を使います。高画素の写真では補正に数秒かかることがあります
よくある質問
- 書類の輪郭は自動で検出されますか?
- 自動検出には対応していません。プレビュー上の緑の丸 4 つを、書類の左上・右上・右下・左下へドラッグして指定します。ドラッグ中は拡大鏡が出るので、角が影で見えにくい写真でも位置を追い込めます。
- 画像PDF変換とはどう違いますか?
- 歪みを補正するかどうかが違います。本ツールは指定した四隅を射影変換で長方形に起こしてから PDF にします。画像PDF変換は画像を加工せずそのまま埋め込むツールなので、すでに真上から撮れている写真やスクリーンショットはそちらが向いています。
- 文字を検索できる PDF になりますか?
- なりません。OCR(文字認識)は行わないため、出力される PDF は補正後の画像を貼り付けたものです。本文の文字列検索やテキストのコピーはできません。
関連ツール
ファイル処理
画像PDF変換(JPG・PNG対応)
JPG・PNG画像を1つのPDFにまとめて変換できる無料ツール。1画像=1ページで並び順を入れ替えられ、ページサイズはA4フィットと画像サイズから選べます。画質は再圧縮せず元のまま。
ファイル処理
PDF圧縮(ファイルサイズを小さく)
PDFのファイルサイズを小さくします。各ページを画像化して解像度と画質を3段階で調整し、メール添付やアップロードの上限に収まるサイズへ。スキャン書類なら標準で50〜80%の削減が目安。
ファイル処理
PDF結合・分割
複数のPDFを1つに結合、または1つのPDFから必要なページだけを「1-3,5」の書式で抽出・分割。全ページを1ページずつZIPに分けることも、抽出順でページを並べ替えることもできます。
ファイル処理
PDFテキスト抽出
PDF内のテキストを一括抽出してコピーやtxtダウンロードができる無料ツール。「1-3,5」の書式でのページ範囲指定とページ区切り表示に対応し、抽出結果はその場で編集できます。